2022年4月より中小企業も義務化
会社がとるべき施策として、2020年から施行されており大企業は既に義務化となっていますが、2022年4月からは中小企業にも適用される、改正労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)にて防止措置が義務付けられます。
私と同じ世代で、マネジメントを担当している管理職など40代以上の方々が若い頃に指導を受けていた時代は、まだまだ「指示・命令型のマネジメント」が主流で、正しいやり方や考え方は一つでした。
会社が利益を出していくためには「言われたことをきちんとこなす」人材が必要とされていたのです。
しかし、時代は変わっており、市場のニーズが多様化し変化も速くなっています。
このような時代には自律的で自主性を発揮できる人材が必要です。
働く場でも一人ひとりの価値観や個性を尊重することが求められています。
求める人材像が変わっているにも関わらず、従来の指示命令型・画一的に部下をマネジメントしている管理職もまだまだ見られるように思います。
部下の話をよく聞かないで一方的に接していたら、部下によっては、自分の価値観を否定されたと感じてハラスメントを受けたと思うかもしれません。
上司と部下が互いに歩み寄ろうとせずにあまりにも嚙み合わないままでいると、お互いに苛立ちが募り感情的になってしまうかもしれません。
パワハラについて知ることが重要
パワハラ防止には、まず何がパワハラなのかを知ることから始めましょう。
職場におけるパワーハラスメントとは、以下の3つの要素を全て満たすものと定められています。
① 優越的な関係を背景とした言動であって
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
③ 労働者の就業環境が害されるもの(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)
また、パワーハラスメントの6類型というものも定義されています。
・身体的な攻撃
・精神的な攻撃
・人間関係からの切り離し
・過大な要求
・過小な要求
・個の侵害
参考:厚生労働省「あかるい職場応援団」
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/
受けた側の感じ方次第ということもありますが、業務上の範囲を超えているとパワハラと認定される可能性が高いです。
知識が乏しいことにより、自分自身はパワハラの加害者意識が低いのが現状です。
知らない間にパワハラ加害者や予備軍になっていないでしょうか?
パワハラ防止に必要な措置の義務づけ
パワハラ防止法の改定によって企業に大きな影響を及ぼすのが、パワハラ防止に雇用管理上必要な措置の義務づけです。
これは、パワハラ防止法第30条の2第1項に記載されています。
パワハラ防止に必要な措置の内容については、厚生労働省の指針により次のように定められています。
・事業主の方針などの明確化およびその周知・啓発
・相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
・職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
・そのほか、あわせて講ずべき措置
上記のような指針を受け、ハラスメントに関する方針を周知したり、研修をおこなうなど、企業は具体的な取り組みをおこなわなければなりません。
パワハラに関する方針の策定と周知
パワハラ防止に向けた企業の方針やパワハラの対応に関する規定を策定し、従業員に周知・啓発を実施します。
具体的には、
・就業規則にパワハラ防止の方針を明記
・パワハラ行為者に対する懲戒規定などの策定
などです。
そして、方針や規定の策定とともに、これを周知・啓発することが大切です。
従業員に対し、パワハラを許さないという方針と行為加害者にはこのような罰があるということを周知することで、パワハラ防止の効果が高まります。
パワハラの相談による不利益な取り扱いの禁止
パワハラ防止によって、パワハラの相談または相談の際に述べた事実を理由とする不利益な取り扱いの禁止も明文化されました。
これは、パワハラ防止法第30条の2第2項によって定められています。
不利益な取り扱いとは、解雇や降格、異動などが例として考えられます。
まずは、相談窓口を設置します。
レベルとしては、
・相談後の対応フローが決まっている
・担当者は相談者のプライバシーを守り、マニュアルどおりに対応できる教育を受けている
ということが挙げられます。
担当部署や担当者の設置が難しいなら、外部委託も検討しましょう。
パワハラに関する研修の実施
パワハラに関する研修を実施し、パワハラとなりうる行為やパワハラが発生する原因、背景などを従業員に理解させなければいけません。
従業員の中には「自分にはパワハラは関係ない」という考えを持つ人も多く、当事者意識のなさから無意識にパワハラ該当行為をおこなう可能性もあります。
パワハラに関する研修を年1~2回程度でも定期的におこなうことで、誰でもパワハラ加害者・被害者になる可能性があることや、価値観の多様化が進み、昔は許されていたことが許されなくなっていること、などを繰り返し伝えることが必要です。
参考:厚生労働省「あかるい職場応援団」
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/
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※本コラムは、オンラインサロン「パチ盛り」に掲載したものを、加筆・修正したものです。