
新規事業や会社設立時には戦略と組織について同時に議論されることが多くあります。しかし、既存事業では多くの企業で戦略だけを議論し、逆に何をしたいのかがあいまいな状況で組織を変えることもあります。
ひと昔前の景気の良い市場環境では、それでも問題ありませんでしたが、現在では企業を取り巻く競争環境はさらに激化し、顧客の価値観は多様化し、顧客ニーズや技術の変化のスピードはますます速くなっています。
このような厳しい経営環境のもとでは、戦略に合う組織、組織に合った戦略で臨まないと企業としての存続や成長は困難です。
一度立ち止まり、戦略と組織の関係について考えてみてはいかがでしょうか。
「組織は戦略に従う」と「戦略は組織に従う」の意味
簡単にいえば言葉通りで、戦略が組織に先行するのか、組織が戦略に先行するのかの違いです。
組織論では知られていますが、1962年にチャンドラーが「組織は戦略に従う」と提唱しました。その後、1979年にアンゾフは「戦略は組織に従う」と提唱しました。
全く逆の事を言っているので、「コレって、どういうこと?」と思いますよね。
チャンドラーの「組織は戦略に従う」の解説
組織は何のために存在するのでしょうか?
組織は組織が属するトップの目的を達成するため存在します。
組織は存在すること自体が目的ではないので、組織をどうするかは、まず戦略が先行しなければなりません。
そして、変化する環境に適応する戦略を策定し、その戦略を実行するために最適な組織にしていかねばならないというのが「組織は戦略に従う」です。
アンゾフの「戦略は組織に従う」の解説
戦略が組織の変革を求めても、組織には自己防衛する本質があることや各企業それぞれが持つ組織文化によって戦略がちゃんと遂行されないことが考えられます。
なので、戦略の内容は組織に細心の注意を払って策定するべき、というのが「戦略は組織に従う」です。
安定していた企業には保守的な組織文化が形成されています。
そこに、状況の変化により新たな戦略を打ち出したとしても、表面的には戦略に沿って頑張っているように見せかけて、実際には行動していないことも考えられます。
そのため組織に合わせた戦略に修正することが必要です。
結局、どっちを優先すれば良いのか?
「組織は戦略に従う」と「戦略は組織に従う」は、真逆ではありますが、対立する考え方ではなく、企業の置かれている経営環境や組織文化などによって重点の置きかたが変わるということです。
通常では、「組織は戦略に従う」を優先し、戦略の推進にあたっては「戦略は組織に従う」を考慮すべきです。
現在の経営状況に問題なければ、現時点では戦略と組織の関係は良好であると考えられます。その場合は組織を重視した「戦略は組織に従う」に重きを置いても問題ないと考えられます。
一方、大きな経営問題が生じている、あるいは生じると予測されれば、それに対して「組織は戦略に従う」を考慮し、戦略を最適に遂行できる組織を考える必要があります。
いずれにしても、経営環境に応じた戦略と組織の関係を変革し続けることが、企業の成長・発展に必要です。
チームビルディングを上手に進めるには
人材力・組織力・関係力、この3つのポイントを、バランス良く段階的に進めていくことがコツとなります。
人材力だけを一気に上げて、その後組織力を一気に上げて、というように進めていくと、バランスが悪くなり、メンバーが疲弊してしまうことも考えられます。
チームビルディングは一日にしてならず、です。
長期的な視点で考えていきましょう。
小さい組織だからチームビルディングは必要ない、という考えは間違いです。
なぜなら、小さい組織の方が、従業員一人ひとりの組織に対しての影響が大きくなるからです。
弊社では、最強のチームビルディングにより、組織の生産性を上げ離職率を下げるよう、その組織に最適なプロジェクトを、お手頃な価格で提案いたします。
組織の状態にお悩みがありましたら、まずは無料相談をご活用ください。
※本コラムは、オンラインサロン「パチ盛り」に掲載したものを、加筆・修正したものです。