富山・福井のリカレントプログラムに参加し、現在は北陸(富山・石川・福井)を中心に地域企業の伴走支援を行っています。この記事では、リカレントプログラムで学んだこと、地方創生の重要性、地方の中小企業が抱える経営課題、そしてその学びを今の現場支援にどう活かしているかをまとめます。
私はこれまで、富山や福井のリカレントプログラムに関わる中で、地方の中小企業が抱える経営課題や、地域における人材のあり方について多くの学びを得てきました。
リカレントプログラムというと、「大学で学び直す」「知識をインプットする」といった印象を持たれることもあるかもしれません。もちろん、それも大切な要素です。
ただ、私にとって大きかったのは、大学で知識を得ることだけではありませんでした。むしろ印象に残っているのは、地域企業の現場に入り、地域ならではの経営課題や人の課題に直接触れたことです。そして、その経験を通じて、地方創生とは単なるスローガンではなく、地域で働く人と企業の現実に向き合うことから始まるのだと実感しました。
現在は北陸3県(富山・石川・福井)を中心に、地域企業の組織づくりや人事制度、管理職支援に取り組んでいます。だからこそ、富山・福井での学びは、今の支援の土台になっていると感じています。
富山・福井のリカレントプログラムで学んだこと
リカレントプログラムの大きな特徴は、単なる座学では終わらないことです。大学での講義やゼミ、演習を通じて専門的な知見や考え方に触れながら、同時に企業の現場で課題整理や解決の実践を進めていく。この往復があるからこそ、学びが知識で終わらず、現場で使える形に変わっていくのだと思います。
私自身も、授業やゼミで新たな視点を得るだけでなく、「地方の企業にとって本当に必要な支援とは何か」「現場で起きている課題をどう構造的に捉えるか」を考える機会を多くいただきました。知識のインプットだけなら本やネットでもできます。しかし、大学という場で多様な視点に触れながら、同時に地域企業のリアルな課題と向き合うことで、学びの深さはまったく違うものになったと感じています。
また、学びの中で印象的だったのは、地域企業の課題を単発の問題としてではなく、経営、組織、人材、地域との関係性まで含めて考える視点でした。企業の中だけを見ていては見えないことも、地域という広い文脈の中で見ることで、課題の意味や優先順位が変わって見えてくることがあります。
地方創生の重要性を、地方企業の現場から実感した
実際に関わってみると、地方創生とは「地域を元気にする」という抽象的な話ではなく、地域企業が持続的に価値を生み出せる状態をつくることだと感じました。地方の中小企業は、それぞれに強みを持っています。技術力、地域との信頼関係、現場対応力、人の温かさ。そうした良さがある一方で、人材確保や育成、事業承継、評価制度、業務の属人化、暗黙知の継承、採用、管理職育成など、経営課題は非常に多岐にわたります。
特に印象的だったのは、「人がいない」の一言では片づけられない現実です。人手不足は確かにありますが、単に人数が足りないだけではなく、若手が育ちにくい、ベテランの知恵が言語化されていない、管理職がプレイヤー化していて育成まで手が回らない、理念や方針が現場まで届きにくい、といった構造的な課題が重なっていることが少なくありません。
北陸3県の企業と関わる中でも、こうした課題は共通して見られます。業種や規模は違っても、人材の確保、育成、継承、組織づくりというテーマは、多くの地域企業に共通する重要課題だと感じています。
だからこそ私は、地方創生を考えるうえで重要なのは、単発の施策や表面的な制度導入ではなく、地域企業の中にある力を引き出し、続く形にしていくことだと考えるようになりました。
地方の中小企業が抱える経営課題とは何か
地方の中小企業が抱える課題は、単なる売上や採用の問題だけではありません。現場で実際に起きているのは、人と組織に関わる複合的な課題です。
- 管理職育成が追いついていない
- 評価制度があっても現場で運用されにくい
- ベテラン社員の暗黙知が若手に継承されにくい
- 採用しても定着しにくい
- 理念や方針が現場に浸透しにくい
- 人手不足の中で一人ひとりの負担が重くなっている
こうした課題は、それぞれが独立しているわけではなく、組織全体のつながりの中で起きています。だからこそ、一つの制度や一つの施策だけでは解決しにくく、現場に合わせた伴走支援が必要だと感じています。
とくに北陸の地域企業では、経営者の思いが強く、現場との距離も近いからこそ、制度と日々の行動がつながっているかどうかが組織の状態に大きく影響します。仕組みを整えることも大切ですが、それを現場で使える形にし、行動につなげていくことがより重要だと考えています。
リカレントプログラムでの学びを、今の現場支援にどう活かしているか
現在、私が(株)豊明コンサルティングとして行っている支援の中にも、こうした学びは色濃く活きています。
私の強みの一つは、株式会社マルハンで長年管理職を務め、多くの現場を経験してきたことです。転勤も多く、地域も人も文化も異なる職場で、毎回ゼロから関係性をつくり直してきました。その経験が、今のコミュニケーション力や関係構築力につながっていると感じています。
地域企業の支援においても、制度や理論だけを持ち込むのではなく、「その会社では何が起きているのか」「経営者は何に悩み、現場は何に困っているのか」を丁寧に聴き取り、整理し、対話を重ねながら支援することを大切にしています。
また、地方企業では特に、ベテランの経験や判断基準が暗黙知のまま残っていることが多くあります。これは強みでもありますが、引き継ぎや育成の観点では課題にもなります。だからこそ私は、現場の知恵を言葉にし、形式知化し、組織の共有資産に変えていく支援を重視しています。
さらに、管理職支援や人事制度設計、理念浸透、AI活用による業務改善といったテーマに取り組む際にも、地方企業の現実に合う形で設計することを意識しています。大企業の成功事例をそのまま持ち込むのではなく、その地域、その会社、その人たちに合ったやり方を一緒に考える。そこに、私自身の現場経験と、地域での学びが活きていると思っています。
地方企業支援に活きている私の強み|管理職経験とコミュニケーション力
私自身、株式会社マルハンでの管理職経験を通じて、多様な地域、多様な人、多様な職場環境の中で仕事をしてきました。転勤が多かったからこそ、その土地ごとの雰囲気や人間関係の違いを感じながら、相手との距離の取り方や信頼関係の築き方を磨いてきた実感があります。
この経験は、今の伴走支援にも大きくつながっています。地域企業の支援では、正論を伝えるだけでは前に進みません。経営者、管理職、現場社員、それぞれの立場や背景を理解しながら、少しずつ対話を重ね、現実的に動ける形へ落とし込んでいくことが大切です。
私は、制度設計だけでなく、人と人の間にある認識のずれや、言葉になっていない課題を整理し、対話を促し、前進できる状態をつくることを自分の強みの一つだと考えています。これは、転勤の多い管理職経験の中で培ったコミュニケーション力と、地域企業の現場で学んだことが重なっている部分です。
地域企業にどんな価値を返したいか|関係人口としての伴走支援
私は、富山や福井と関わる中で、「関係人口」として地域に関わり続けることの意味も強く感じるようになりました。移住や定住だけが地域との関わり方ではありません。外から関わり、学び、支え、つながり続けることも、地域への貢献の一つだと思っています。
地域企業に対して私が返していきたい価値は、単なるアドバイスではありません。経営課題を整理し、仕組みを整え、人の行動変容につなげ、現場で回る形まで一緒に伴走することです。
地方の中小企業には、それぞれに魅力と可能性があります。一方で、人口減少や人材不足、育成の難しさ、管理職支援の不足など、簡単には解けない課題もあります。だからこそ、外部の立場だから見えること、現場経験があるから分かること、大学での学びを通じて整理できることを活かしながら、継続的に伴走していきたいと考えています。
現在は北陸(富山・石川・福井)を中心に活動していますが、地域と継続的につながりながら、企業ごとの課題解決に取り組んでいくこと自体が、関係人口としての価値の返し方だと考えています。
富山・福井での学びを、これからの北陸の地域企業支援につなげていく
富山・福井のリカレントプログラムを通じて得たものは、知識だけではありませんでした。地方創生の意味、地域企業の現実、そして自分自身がどのように地域と関わり、価値を返していけるのか。その問いに向き合えたことが、何より大きな財産です。
これからも(株)豊明コンサルティングは、地域企業の経営課題の解決に向けて、制度づくりだけで終わらせない伴走支援を続けていきます。富山や福井での学びを土台に、北陸3県(富山・石川・福井)の中小企業の未来に少しでも貢献できるよう、関係人口としての関わりを大切にしながら、支援を積み重ねていきたいと思います。