「1on1を導入しています」という会社は増えています。
しかし、「導入している」と「機能している」は別の話です。
「毎週1on1をやっているが、何が変わっているのかよくわからない」
「部下が表面的な報告しかしてこない」
こんな声を、地方の中小企業の管理職からよく聞きます。
1on1は、やり方を間違えると、むしろ部下の負担になる時間になります。
今回は、1on1が形式化している会社に共通する4つの問題を整理します。
問題1:1on1を「業務報告の場」にしている
1on1の目的は「部下の成長支援と関係構築」であって、業務の進捗確認ではありません。
しかし多くの管理職が、1on1の時間を「今週どこまで進んだ?」という業務確認に使ってしまっています。
業務報告はメールやチャット、朝礼で十分です。
1on1でしかできないのは、「部下の考え・感情・成長への欲求」を引き出すことです。
「この仕事をやってみてどうだった?」
「最近、仕事でいちばん充実感を感じたのはどんな場面?」
こうした問いかけが、業務報告の場ではなく「対話の場」としての1on1を作ります。
問題2:「傾聴」と「沈黙に耐える」を混同している
「傾聴しなさい」と言われた管理職が陥りやすいのが、「とにかく聞き続ける」というパターンです。
部下が喋らなくても待つ、アドバイスしない、という姿勢が、かえって部下を困らせることがあります。
傾聴とは「受け身でいること」ではありません。
適切な質問で部下の言葉を引き出し、言われたことを繰り返して確認し、次の話しやすい空気を作ることです。
たとえば、「それって、どういう意味で言ってる?」
「もう少し具体的に教えてもらえる?」と返すだけで、
部下は「ちゃんと聞いてくれている」と感じます。
沈黙への恐怖から話し続ける管理職も、ただ黙って待つだけの管理職も、
どちらも1on1を機能させていません。
問題3:頻度を「こなすこと」が目的になっている
「週1回やる」というルールを決めた途端、1on1が「消化しなければいけない義務」になる会社があります。
15分話して終わり、話すことがないから雑談だけして終わり
これでは意味がありません。
頻度よりも「質」を優先すべきです。
月1回でも、部下が「あの時間は自分のためになった」と感じられる1on1の方が、
週1回の形式的な面談よりはるかに価値があります。
「1on1の前に、話したいことを1つ考えてきて」と伝えておくだけでも、部下の準備と参加意識が変わります。
問題4:1on1の記録・振り返りをしていない
1on1で出てきた部下の課題・目標・悩みを記録していない管理職は多いです。
次の1on1が前回と全く繋がっていない
「先週こう言ってたよね?」という連続性がない。
部下は「覚えてくれていない」と感じ、本音を話す気を失います。
短くても構いません。
1on1の後に「今日話した大事なこと」を3行でもメモし、
次回の冒頭に「先週の件、どうでしたか」と続けることが、部下との信頼関係を作ります。
スマートフォンのメモアプリでも、Excelでも手帳でも、形式は問いません。
「記録して、繋げる」という習慣が、1on1の質を継続的に上げていきます。
1on1を機能させるための第一歩
1on1は、仕組みとして導入するだけでは機能しません。
管理職がその目的を理解し、質問の仕方を身につけ、継続して振り返ることが必要です。
まずは「この1on1で部下に何を持ち帰ってほしいか」を1つだけ考えてから臨む。
それだけで、質問の方向も雰囲気も変わります。
「1on1を機能させたい」
「管理職の面談スキルを改善したい」
とお考えの経営者・人事担当者の方は、ぜひ一度ご相談ください。
地方中小企業の実情に合わせた、実践的な管理職支援を提供しています。