4月になると目標設定面談をして、10月に中間確認をして、3月に評価面談をする。
このサイクルを何年も繰り返しているのに、「社員が成長している感じがしない」という声は珍しくありません。
目標設定を「やっている」のに人が育たないのは、目標の「質」と「使い方」に問題があることがほとんどです。
今回は、その代表的な3つの問題を整理します。
「数字を入れれば目標になる」という誤解
目標設定研修でよく言われる「SMART目標」(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)を教えると、
社員は一生懸命「売上を10%上げる」「ミスを月3件以下にする」という目標を書いてきます。
しかし数字が入っているからといって、それが「成長につながる目標」かどうかは別問題です。
数値化しやすい目標だけを立てると、「数字を達成すること」が目的になり、
「なぜそれをやるのか」「達成した先に何があるのか」という本質から遠ざかります。
特に若手は、数字だけの目標に対して「やらされ感」を感じやすいです。
成長につながる目標には、「行動レベルの変化」が伴っている必要があります。
「売上を10%上げる」より「新規顧客への提案を月2件以上する」の方が、行動が変わるイメージを持てます。
目標の中に「何をするか」が入っていることが大切です。
「与えられた目標」と「自分で設定した目標」の差
目標設定で起きやすいもう一つの問題が、「上司が提示した目標に社員が同意する」という構造です。
上司から「今年はこれをやってほしい」と言われた目標は、
形式上は本人が書きますが、内側では「課せられたもの」です。
本人が「これをやりたい・やってみたい」と感じる目標(自発型目標)と、
「やれと言われたからやる」目標(課題型目標)では、取り組み方と成長の深さが全く違います。
社員の成長を促す目標設定には、
「本人が何に興味を持っているか」「どんな状態になりたいか」を聞き出す時間が必要です。
目標設定面談を「目標を確認する場」から「本人のキャリアを一緒に考える場」にすることで、
社員の主体性は変わります。
目標を「振り返らない」という最大の問題
多くの会社で、目標設定は4月にやって次に見るのは10月の中間確認、ということが起きています。
目標を立てた後、日常の仕事の中で目標が全く意識されないのです。
人が育つプロセスは「経験 → 振り返り → 気づき → 次の行動」の繰り返しです。
目標はこの「振り返り」の基準点として機能するはずなのに、
半年間引き出しの中に眠っていては意味がありません。
目標は、立てた後に「定期的に振り返り、修正する」ことで機能します。
週次のミーティングや1on1の中で「今週の仕事と目標はどう繋がっていたか」を短く確認するだけで、
目標の形骸化は大きく防げます。
目標を「1年に1回書くもの」から「毎月確認するもの」に変えることが、育成の質を上げます。
人が育つかどうかは、目標の質と、目標を日常にどう組み込むかで決まります。
制度があっても使われなければ機能しません。
目標設定面談の改善や評価制度の運用についての見直しを検討している経営者・人事担当者の方は、
ぜひご相談ください。