人事制度の導入を検討し始める会社には、大きく2つのパターンがあります。
一つは「社員が増えてきて、なんとなくルールが必要だと感じ始めた」、もう一つは「給与・評価への不満が表面化して、急いで整備しようとしている」です。
後者のパターンで急いで人事制度を作ると、失敗しやすくなります。
「不満が出てから作る」制度は機能しにくい
不満が出てから制度を作ると、制度の設計よりも「不満を抑えること」が目的になりがちです。
その結果、社員が「なんで今さら」「どうせこれで給料が上がらない理由を作りたいだけ」という不信感を持った状態で制度が始まります。
人事制度は「信頼の上に作るもの」です。
経営への不信感が高い状態で制度を導入しても、社員に受け入れられません。
不満が出ている場合は、まず「不満の背景にある本質的な問題」を把握することが先決です。
制度より前に、コミュニケーションを取り戻すことが必要なケースもあります。
「一度に全部作ろうとする」失敗
人事制度のコンサルティングをしていると「等級制度・評価制度・賃金制度を同時に整備したい」という要望をよく受けます。
しかし一度に全部作ろうとすると、設計に時間がかかりすぎてこの間に現場の状況が変わる、完成した制度が現場と乖離している、管理職が使い方を理解できない、という失敗が起きます。
「まず評価の基準だけ作る」「まず等級だけ定義する」という段階的な整備の方が、実態に合った制度ができやすいです。
特に20〜50名規模の中小企業では、「シンプルで動く制度」の方が「完璧だが使われない制度」より価値があります。
最初にやるべきは「現状の整理」
制度を設計する前に、現状の給与体系・評価の運用・社員の勤続・役割分担の実態を「見える化」することが重要です。
現状を整理すると「実は給与の根拠が不明瞭な人が多い」「評価の実態がない」という実態が見えてきます。
そこから「何を先に整備するか」の優先順位が見えてきます。
成功するタイミングと順序
地方中小企業が人事制度を成功させやすいタイミングと順序は、以下の通りです。
1. 業績が安定しているときに着手する(不満が出る前・追い込まれる前)
2. まず「現状の整理」から始める(給与の内訳・役割の実態・評価の現状を文書化)
3. 一つの柱から整備する(評価基準 → 等級 → 賃金連動 の順序が多い)
4. 社員に説明・巻き込みながら進める(作ってから公開より、途中で共有する方が受け入れやすい)
人事制度の導入は、タイミングと順序が結果を大きく左右します。
「今のうちに整えたい」という段階から相談できるご支援を提供しています。
人事制度の導入・整備についてお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。