「部下の育成は管理職に任せている」という会社は多いです。
しかし「任せている」と「育っている」が一致していないことも、同様に多いです。
管理職に部下育成を任せてもうまくいかないのは、管理職の「やる気」の問題ではないことがほとんどです。
育成を支える「仕組み」がないことが原因です。
「自然に育つ」は都市伝説
かつての日本企業では「背中を見て学べ」「やりながら覚えろ」という方法で人が育ちました。
仕事の量が多く、職場の人間関係が密だった時代には、それで機能していた側面があります。
しかし現在は、仕事の多様化・リモート化・人手不足による余裕のなさなどから、「自然に育つ」という環境は失われつつあります。
意図的に育成の機会を設計しなければ、人は育ちません。
「背中を見て覚えろ」が通用しない理由は、経験の密度と時間が変わったからです。
かつては3年で習得できた経験が、業務が分散・効率化された現在は5年・10年かかることもあります。
意図的な設計なしには追いつきません。
管理職が育成に使える「時間」がない問題
部下育成がうまくいかない最大の構造的原因は「管理職が自分の仕事を抱えすぎていること」です。
プレイングマネージャーとして現場の仕事もこなしながら、部下の指導もする──という状態では、育成に使える時間と精神的余裕がありません。
「管理職の仕事をマネジメントに集中させる」か、「現場業務を抱えることを前提に、短時間でできる育成の仕組みを作る」かの選択が必要です。
中小企業では「完全にマネジメント専任」にするのは難しいケースが多いです。
だからこそ「5分でできる育成の習慣」──業務の後に「どうだった、何か気づいたことは?」と一言聞くだけでも、継続することで大きな違いが出ます。
「育成の仕組み」を会社として設計する
部下育成を管理職個人の能力に頼るのではなく、会社として「誰でも実施できる育成の仕組み」を設計することが重要です。
具体的には、入社後のオンボーディングプログラム・OJTトレーナー制度・定期的な1on1の設計・成長目標の設定と振り返りサイクル──これらを「制度として存在させる」ことで、管理職が変わっても育成の質が維持されます。
「育成は管理職の仕事」という認識を「育成は会社の仕組みで行うもの」に変えることが、組織の育成力を底上げします。
仕組み化のファーストステップ
育成の仕組み化を始める際は、「今ある最低限のルールを1枚の紙に書く」ことが出発点になります。
– 新入社員の最初の3日間は何をするか
– 誰がOJTトレーナーか
– 1ヶ月後・3ヶ月後に何を確認するか
この3点を文書化するだけで、「属人的な育成」から「組織の育成」に一歩近づきます。
完璧なプログラムを作る必要はありません。
「誰が担当しても同じスタートができる状態」を作ることが、育成の仕組み化の入り口です。
部下育成の仕組み化・管理職育成・OJT制度の設計については、地方の中小企業の実情に合わせたご支援をしています。
「育成が管理職任せになっている」という課題をお持ちの方は、まずはお気軽にご相談ください。